不眠症に悩む方によくある心のクセ

不眠症に悩む方によくある心のクセ

不眠症に悩んでおられる、ある患者さん。

がんばって通っていただいているお蔭もあり、眠れる時間が増え、眠りの質は良くなってはきたものの、まだまだ理想の睡眠にはたどり着いておりません。

そんな中、このようなやり取りがありました。

私「どんなときに眠りが悪くなりますか?」

患者さん「次の日に用事があるときは眠れません」

私「次の日のことを考えると興奮してしまう感じですか?」

患者さん「いえ、次の日に用事があるのに、眠れなかったらどうしよう?と考えて眠れなくなってしまいます。」

実はここにポイントがあります。

睡眠と精神的な因子

睡眠には精神的な因子が大きく関与してきます。

「次の日に用事があるのに眠れなかったらどうしよう?」と、起きてもいない未来を想像し、自分自身によけいなストレスをかけてしまうと睡眠に影響します。

ですから、こういったときは「次の日に用事があるのに眠れなかったらどうしよう?」ではなく、「今夜眠れなくても別にいいや。鍼でがんばって治療を続けてるんだし、いずれは治るだろう」くらいの心持ちでいると、自分自身にかけるストレスが軽減し、睡眠の状況にもよい影響を及ぼしますとお伝えしました。

ストレスは自分自身で作り出している

ストレスといっても、実は多くのストレスは自分で自分にかけていることが多いものです。

過去にあった嫌なことや、まだ起きてもいない未来のこと、不確定な被害妄想、これらはすべて自分自身で作り出しているストレスです。

なにか「いらないこと」を考えてしまっているなと気づいた時は、その「いらないこと」を心の中から追い出して、自分にかけるストレス量を減らしてあげましょう。

それだけでも、とても大事な養生法になります。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

輝鍼灸院