約半年ほど、右肩~右上肢の痛みやしびれを主訴に通院されているある患者さん。
当初の主訴はすでに1割以下にまで症状が軽減されています。
残りの症状を取るために頑張って通ってくれているのですが、その患者さんが先日の血液検査に行かれたところ、これまでずっと下がらなかった血中脂質(コレステロール、中性脂肪、リン脂質etc)の数値が改善しており、とても驚いたと仰いました。
中医学的には、体内に湿邪(湿濁)が溜まると血中の脂質が増えるという考えがあります。
湿邪というのはイメージすると、この時期に嫌な湿気のことであり、体内に湿邪が増えると痰が絡んだり、軟便になったり、浮腫んだり、体脂肪が増えるなどの症状が現れます。
運動不足や食べ過ぎで胃腸に負担がかかり、飲食物をうまくさばくことができなくなると、体内に湿邪が溜まります。
湿邪が溜まり過ぎて血液にまで湿気が及ぶと、血中脂質が増えてしまうのです。
この方の治療は、右肩~右上肢にかけての痛み・しびれという症状に対して行ってきたものなのですが、前提として身体全体のエネルギー不足があり、胃腸の問題もあったため、お腹にあるツボを使って治してきました。
結果として右肩~上肢の症状だけでなく、胃腸の調子も上向き、湿邪をさばくことにつながり、血中脂質も減ることにつながったというわけです。
よく鍼灸や漢方には副作用がないといわれますが、どちらも間違った使い方をすれば副作用ではありませんが、悪い反応を示すことはあります。
しかし、当院のような伝統的な考えに基づく鍼灸の場合、副作用ではなく副効果というか、病や症状の根本的な部分に対してアプローチを行うので、思わぬ効果が現れることもしばしば見受けられます。
これは現代医学的鍼灸では得られないことです。
鍼灸で血液検査の結果が良くなる?と、驚かれるかもしれませんが、臨床の現場ではしばしば経験することです。
皆さんにも知っていただいてほしく、今回紹介させていただきました。
お電話ありがとうございます、
輝鍼灸院でございます。