左半身に生じた違和感の理由

左半身に生じた違和感の理由

いつも2週間に1回程度のペースでメンテナンスに通われている患者さん。

普段は疲れると不眠気味になったり、身体に痒みが生じたり、少し不安感が発症したり、様々な症状が現れるたびに早めに鍼をして調えています。

今回は左肩から首にかけて痛みがあり、左下肢に力が入りにくい、左半身全体に違和感があるという症状を訴えて来院されました。

身体をよく診ていくと、体内において左上に気が偏りすぎてしまい、その気の偏在により左首の痛みや左下肢の症状を中心とした左半身全体の症状を発症していることがわかりました。

治療は左上に偏り過ぎた気の偏在を整えるために、頭に1本だけ鍼を刺して終了です。

治療後に良好な反応を確認できましたので、これで様子をみていただき、何か症状が残るようであれば次回は早めに来院するように伝えてお帰りいただきました。

これまでの経験上、おそらくこの1回で症状は治まると思っています。

脳血管障害?

今回のような身体の半分に違和感を生じるというケースは臨床では意外によく遭遇します。

一般的にはまず脳血管障害を疑うことになるでしょう。

たしかにこの状態を放置しつづけると、脳の重大な問題になり得る可能性があります。

しかし、東洋医学ではその前の段階、脳に何らかの問題が起きる前に処置することで、発症を未然に防ぐ方法があるのです。

ですから、このような症状があったとしても、早めに処置さえすれば何も問題が起こらず、大抵の症状は消えてきます。

しかし、あまりにも重度であったり、既に脳内に異常が起きている場合は鍼をしても戻らないこともあるので、その場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。

左右差の原因

今回の症例のように左半身だけ、右半身だけといった具合に身体の半分に違和感を生じるケースは、主に精神的ストレスや疲労が原因となることが多いです。

もともとストレスをためる傾向にあったり、家庭や職場の環境に問題を抱えていたり、このような方によく現れる症状です。

軽い場合は早めに処置すればすぐに症状は消えますので、何かあれば早めにご相談ください。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

輝鍼灸院