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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

不通即痛 不栄即痛

痛み 鍼灸

東洋医学には「不通即痛(ふつうそくつう)、不栄即痛(ふえいそくつう)」という考え方があります。

不通即痛

痛み 鍼灸

不通即痛とは、何らかの原因で気がうまく流れることができなくなり、気が通じないことによって痛みが生じるという意味です。

イメージするならば交通渋滞です。

原因としては、外部からの影響と内部からの影響があります。

外部からの影響としては、冷え・湿気・暑さ・乾燥・気温差などがあります。

これらを六淫と呼び、風邪・寒邪・湿邪・熱邪・燥邪などがあります。

内部からの影響としては、精神的ストレス飲食の不摂生などがあります。

これらが原因となり、気滞(きたい)・瘀血(おけつ)・湿痰(しったん)などの病理産物が生まれて気の流れを阻害し、痛みが生じます。

気の不通による痛みの場合は、強く激しい痛みであることが多くなります。

ですから、このタイプの痛みの場合は渋滞を起こしている原因を特定し、その原因を除去してあげればいいわけです。

不栄即痛

痛み 鍼灸

不栄即痛とは、何らかの原因で気が不足してしまい、気が足りないがために痛みが生じるという意味です。

気が不足する原因としては、過労・加齢・長期に及ぶ病などがあります。

こういった原因により、気虚(ききょ)・血虚(けっきょ)・陽虚(ようきょ)・陰虚(陰虚)など、身体にとって必要な何かが不足となり、結果的に痛みが生じます。

気の不足による痛みの場合は、あまり激しい痛みではなく、だるさや重さ・しびれなどを伴い、力が入りにくいなどの症状を伴うことが多くなります。

まとめ

上記の通り、痛みといっても様々な原因があり、発症に至るまでの流れもそれぞれ違ってきます。

こういった全体像を把握せず、ただ痛いところに鍼をしたり、伝統的な考えを無視した鍼をしていては、たまたま治ることはあったとしても、それは偶然に過ぎません。

しっかりと論理的に分析し、なるべく早く確実に治すためには、伝統から学ぶほかありません。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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