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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

【解説】網膜色素変性症

網膜色素変性症 鍼灸

網膜色素変性症という難病があります。

最近、初診で診させていただくことになったので、簡単に解説記事を書いておきます。

この病証は夜盲視野狭窄を主症状とする眼科疾患であり、中医学では高風内障・高風雀目と呼ばれます。

発症初期は夕方以降や暗い場所ではっきりと見えにくくなるなどの症状から始まりますが、徐々に視野が狭くなり、酷くなると視野が管ほどの大きさとなり、最終的には失明に至ることもあります。

弁証

弁証としては、腎陽虚・脾気虚・肝腎陰虚・肝腎精血不足などが挙げられます。

それぞれの特徴を以下に記します。

腎陽虚

腰や膝が怠い。倦怠感・力が入らない。

寒がり・手足の冷え。舌の色は淡く、脈は沈んで無力。

・脾気虚

顔面が黄色もしくは白色。食欲不振・腹部膨満感・泥状便・手足に力が入らない。

舌の色は淡く、舌辺に歯痕がある。脈は虚弱。

・肝腎陰虚

目に潤いがなくなり不快感。めまい・耳鳴り・腰や膝がだるく力が入らない。

夕方以降の発熱、寝汗。舌の色は紅く、苔は少ない。脈は細く速い。

まとめ

罹患後、経過が長期に及ぶと症状は悪化し、最終的には失明に至ります。

よってなるべく早期に治療を行うことが重要となります。

経過が長期化していたとしても、正しい診立てで鍼灸治療を行えば、症状の悪化を食い止めたり、うまくいけば改善の可能性もあると考えています。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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