【解説】風邪は鍼で治せ!
1年くらい前に初診で来られたある患者さん。
当時の主訴は腰痛、左肩の痛み、頭重感など複数あったのですが、今はどれも調子がよく、養生のために月に2回ほど通って下さっています。
いつも通り養生のために来られたのですが、今回は1週間ほど前に風邪をひき、のどの痛みが取り切れず辛いとのこと。
聞いてみると風邪薬を服用したものの、治り切らない状況が続いているそうです。
風邪薬よりも鍼を。
風邪をひかれたとき、多くの方は風邪薬を服用されますよね。
発熱・倦怠感・咳・のどの痛みなど、辛い症状があれば、なんとかして逃れんがために薬を飲みたくなるのはわかります。
しかし、熱が出たり、汗をかいたり、のどに炎症を起こしたり、下痢をしたり、こういった症状は風邪を治すために身体が起こしている現象です。
こういった時に症状を緩和させる薬を服用することは、ある意味では「治ろうとしている身体の働きを邪魔している」ととらえることもできます。
治ろうとしている身体の邪魔をしているので、なんとなく風邪症状が緩和しているような気がしながらもすっきりせず、治り切らないままひきずってしまうケースが多く見受けられます。
伝統医学に基づく鍼の場合、西洋医学の薬のように症状を抑え込むことはしません。
風邪がうまく経過し、身体の力を使って追い出せるように導くための治療をします。
「治ろうとしている身体を助けている」ということです。
ですから、鍼で風邪を治したときは、すっきりと治りますし、風邪と一緒に他の悪いものまで一緒に追い出してしまうので、治ったあとは風邪を引く前よりも身体が元気になります。
当院に長く通われている患者さんにはずいぶん浸透してきていますが、いずれは風邪は鍼で治すことが常識となる世の中になると思っています。
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