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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

【解説】緑内障は鍼灸で治そう|神戸 輝鍼灸院

緑内障 鍼灸

緑内障の原因

1.精神的な問題(ストレス・怒り・緊張・疲労)

2.陰陽のアンバランス

緑内障の原因を大きく大別すると、上記の2つになります。

2つの原因について、下記に解説していきます。

1.精神的な問題(ストレス・怒り・緊張・疲労)

緑内障 鍼灸 ストレス

肝は目に開竅する

1.精神的な問題といっても、ストレス・怒り・緊張・疲労などがあげられますが、これらの感情は東洋医学では肝の臓と関わると考えられています。

現代人の多くは、何らかの形でストレス・怒り・緊張・疲労にさらされており、肝の臓を傷めている方が多くいらっしゃいます。

東洋医学では「肝は目に開竅する」という考えがあり、肝の臓の異常は何らかの形で目に現れることが多いのです。

疲れや緊張が酷いときに、目が痛くなったり、目がかすんだりした経験は多くの方がお持ちではないでしょうか?

こういった症状も「肝は目に開竅する」に関連するものであり、こういった症状の延長線上にあるのが緑内障だと考えることもできます。

精神的な問題が関与する緑内障でも、いくつかのパターンが存在します。

今回はそれらのうち、代表的な2つのパターンを紹介します。

①火が目を襲う

緑内障 鍼灸 肝火

肝の臓は気を巡らせる働きを持っているのですが、これらの働きが鈍ると、気が鬱してきます。気が鬱すると火が生じます。

これを肝鬱化火(かんうつかか)と表現します。

この火が目を襲うことにより、緑内障が発症します。

この場合の緑内障は火が原因なので、発症は急激で強烈な頭痛を伴います。

眼球を取り出したくなるほど痛み、視力が急激に低下し、甚だしい場合は失明します。

眼球の硬さも酷い場合は石のようになります。

②痰火が目を襲う

緑内障 鍼灸 痰火

痰火という言葉は聞きなれないものと思います。

簡単に説明すると、まずストレスや飲食の不摂生により、体内に痰が発生します。

痰とは体内の水が滞ったことにより生じるものであり、スライムのようなものとイメージしていただければと思います。

そのスライムが、上記に説明した精神的なストレスや怒り、緊張などにより生じた火に蒸されて粘り気を増したものを痰火と呼びます。

イメージとしては写真のように赤味を帯びたスライムといった感じでしょうか。

この場合、単なる痰ではなく、火の性質を伴うので熱を持ちます。

この痰火が顔面部を襲うことにより気血のめぐりが悪くなり、緑内障が発症すると考えるのです。

この場合は痰が関連するので、吐き気や嘔吐、腹部や胸が苦しいといった症状を伴うことが多くなります。

2.陰陽のアンバランス

緑内障 鍼灸 陰陽

陰が虚せば陽が亢ぶる

東洋医学では人の心と身体は陰と陽の調和で成り立っていると考えます。

しかし調和が崩れてアンバランスが起こるとが生じます。

たとえば陰が弱まると陽が力を持ちます。

陰は水を、陽は火を象徴します。

つまり、陰が弱まると陽が高ぶる。

火が勢いを増すわけです。

1.精神的な問題でも火が生じて目を襲うと解説しましたが、ここでもやはり結果的に火が生じて目を襲い、緑内障が発症するわけです。

この場合は直接火が生じるわけではなく、陰の不足による相対的ね火なので勢いはあまり強くありません。よって強烈な目の痛みや、突然の失明といった激しい症状ではなく、目のかすみ・目が見えにくくなる・症状の緩解と悪化を繰り返すといった軽度かつ慢性的な症状が特徴となります。

まとめ

緑内障 鍼灸 まとめ

潤いを取り戻す

ここまで説明してきた通り、火が中心となる緑内障の場合は、急性で激しい症状が特徴となります。

こういった激しい症状の場合、多くの方はまず病院に行かれます。

鍼灸院に来られるのは、こういった状況を過ぎた段階であり、火が中心というよりも、陰の弱りが中心となっている段階で来られることが多くなります。

ですから必然的に当院で診させていただく場合は、陰を補うことが多くなります。

つまり、失った潤いを取り戻す治療です。

こういった慢性化した段階では、治療はどうしても長期戦となります。

しかし、コツコツと根気よく治療すれば、慢性化していたとしても症状の進行を防いだり、早い段階で治療できれば速やかに回復できるケースもあります。

大事なことは、なぜその病が発症しているのか原因やメカニズムを明らかにすること。

それがわかれば、あとは対処するのみです。

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筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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