院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

気を集める、気を散らす。

当院では刺さない鍼を使い、翳すだけで治療する方法を用いることがあります。

主に小さなお子さんや、体力の乏しい高齢の方、敏感な体質の方に使います。

先日、赤ちゃんの治療をしている際、赤ちゃんはどうしても動いてしまうので、

「今、気を集めてるから動かないでね~」

と話しながら鍼を翳していると、お母さんから

「気を集めるってどういうことですか?」

と質問を受けました。

これは刺さない鍼に限らないのですが、鍼をする際にはツボにある気を散らしたり、集めたりといった操作をしています。

気が足りなければ補い、気が多すぎれば散らし、バランスを保つように調整するのです。

そのためにはツボに気が不足しているのか、それとも多すぎるのかを把握する感覚が必要ですし、更には鍼で気を補ったり、散らしたりする技術も必要となります。

必要なツボを選択すること

鍼灸 ツボ 選択

ただその前に、どのツボに鍼をするのかを選択することが重要です。

問診をし、舌を診て、脈を診て、手足身体のツボを診た上で総合的に判断し、その時点での患者さんにとって必要なツボを選び出し、そのツボにとって必要な気を補い、不要な気を散らしていきます。

必要な気のことを「正気」、不要な気を「邪気」といいます。

便宜上「必要な気」「不要な気」と表現しましたが、本来は「邪正一如」であり「氣一元」です。

すべては同じ気なのですから、偏り過ぎないように調和させるように導けばよいのです。

邪気を散らすことにより、正気を助けることを「祛邪安正」、正気を助けることにより邪気を退けることを「扶正祛邪」といいます。

東洋医学は「気の医学」

鍼灸 気の医学

全身の気が調和を取り戻せば、病が治る方向に向かっていきます。

気を集めるとか、気を散らすとか、なんだか怪しげな世界と思われるかもしれませんが、東洋医学は「気の医学」です。

こういった気の概念なしでは治療が成り立ちません。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

一覧に戻る