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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

【解説】更年期障害は鍼灸で治そう|神戸 輝鍼灸院

更年期障害の原因

更年期 根っこ

中医学では絶経前後諸証あるいは経断前後諸証などと呼ばれます。

更年期障害にも、複数の病理パターンが存在しますが、その中核となるのは「腎の弱り」です。

東洋医学における「腎の臓」は、植物で例えるならば「根っこ」のようなものです。

40代~50代というのは、この「根っこ」の弱りが顕著に現れ始める時期なのです。

根っこが弱ると、根無し草のようになり、身体はふわふわと浮ついてしまいます。

そのせいで、火照り感・めまいなどの現象が現れるわけです。

更年期障害の治療

更年期 鍼灸 腎

よって、更年期障害の治療では、人体の根っこである「腎の臓」をフォローすることが重要となります。

腎の臓には、温める力、潤す力、何かを留める(とどめる)力があります。

これらの力が低下すると、以下のような症状が現れます。

温める力の低下

・身体が冷える

・手足や顔が浮腫む

・寒気を感じる

潤す力の低下

・肌や口、目などが乾燥する

・月経時の経血量が減る

・潤いが足りないため、ほてりを生じる。

留める力の低下

・尿や汗を留めることができない

(=頻尿やホットフラッシュ)

・イライラする感情を抑えることができない

治療を行う上では、上記のうち腎の臓のどの力が低下しているのかを見極め、それに対して適切な治療を行うこっとが重要となってきます。

老後の生活への準備

更年期 老後の生活

更年期障害の治療は、明るい老後への準備です。

更年期症状に悩まされているときは、

「とにかく早く良くなりたい」

「なぜ自分がこんなに辛い目にあわなければならないのか?」

と思ってしまうでしょう。

辛いときにそのように思ってしまうのは当然です。

しかし、私は更年期に対して別の見方をしています。

更年期とは、それまで40年以上がんばってきた身体が老年期をよりよく過ごすために、アンバランスを調え準備する期間でもあります。

この時期に出現しているアンバランス、温める力・潤す力・留める力の低下を防いでおけば、老年期に不調に悩むことが少なく、健康に過ごすことができるのです。

更年期の症状を恨むのではなく、「出てきてくれて、教えてくれてありがとう!」という気持ちで、これまでがんばってきてくれた身体に感謝し、メンテナンスをしてあげましょう。

長年乗ってきた古い車をオーバーホールし、また長いこと乗り続けることよう癒してあげるわけです。

まとめ

更年期 鍼灸 まとめ

更年期障害とは、人間の根源的な力である「腎の臓」が弱りつつあるときに現れる症状です。

しかし、これは単なる病ではなく、これから始まる老年期を健康に過ごすために必要な準備期間であり、これまでの人生でどのような力が衰えているかを知らせてくれる現象でもあります。

東洋医学的な観点で、どこがどのように不調をきたしているのかを分析し、確実なメンテナンスをしておけば、これから訪れる老年期を明るく健康に過ごすことができるわけです。

ネガティブにとらえず、感謝の心をもって、しっかりと身体を調えておきましょう。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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