【症例】不妊症の3症例|神戸 輝鍼灸院
当院ではこれまで多くの不妊症の症例を経験しています。
これから鍼灸で不妊症の治療を始めたいと考えている方に、どのような経過をたどり治っていくのかを知っていただくために、実際の症例を通じて解説していきます。
・どのような患者さんが来ているんだろう?
・どれくらいのペースで通えばいいんだろう?
・どれくらい通えばよくなるんだろう?
治療を始める前に、このような疑問や悩みをもっておられる患者さんは多いので、こういった疑問の解消になれば嬉しく思います。
症例1:強い右肩のこりを伴う不妊症
①患者情報
33歳、女性、教員
②主訴の情況
結婚して2年。自然妊娠を望んでいたが、妊娠には至らず。
先月からタイミング療法をしつつ、鍼灸で身体を調えたいと思っている。
③その他愁訴
首や肩が凝り、特に右肩の凝りが強い。
眠りも浅く、夢が多く、熟睡感がない。
足の冷えを強く感じる。
④治療経過
心肝気鬱、腎虚、空間右上と弁証し、百会右というツボへ治療を開始。
精神的な緊張や興奮が原因となり、肩こりが強くなり過ぎてしまい、下半身のエネルギーを吸い取ってしまっているがために妊娠しにくい状況だと判断した。
特に右上への偏りが強いので、空間的な気の歪みの調整も同時に行った。
週2回のペースで約8カ月間治療を継続。
治療経過中に右肩こりや睡眠の状態は改善していることを確認。
無事、自然妊娠に至る。
症例2:おりものや凝血塊が多い不妊症
①患者情報
37歳、女性、接客業
②主訴の情況
結婚後1年ほど経つも自然妊娠に至らず、婦人科でも問題は見つからずタイミング療法で様子を見ていた。
半年経っても妊娠せず、不妊治療専門の病院を受診し、多嚢胞性卵巣症候群と診断を受け服薬治療を開始。同時に排卵誘発剤を服用し、現段階ではタイミング療法のみ続けるつもり。
③その他愁訴
血液検査ではコレステロール値や血圧が高め、尿検査でも問題がある。
普段から肩こり・腰痛が強く、おりものが多く、月経時は凝血塊が多い。便秘がち。
④治療経過
肝鬱気滞、腎虚、湿困脾土と弁証し、治療を開始。
本来ははじめのうちは週2回のペースで治療を勧めるも、それほど妊娠を焦っているわけでもなく、仕事の都合もあるので、週1回のペースで通院を継続する。
養生として、日常生活における過食や運動不足に問題があることを告げ、食べ過ぎを控え、適度な運動を勧める。
治療経過中に肩こり・腰痛が解消し、便通がよくなり、おりものや凝血塊が減少する。
約7カ月の通院で自然妊娠に至る。
症例3:冷え性と浮腫みを伴う不妊症
①患者情報
35歳、女性、商社勤務(PC作業多く、精神的ストレスが強い)
②主訴の情況
4年前に結婚し、2年前から不妊治療開始。
これまでに人工授精を3回行うも妊娠せず、半年前から不妊専門の鍼灸院に通うが、あまり効果を感じない。
③その他愁訴
首~肩~背中にかけて強い凝り。
腰やお腹、両下肢にかけて冷えている。
下腿から足首にかけての浮腫みが強い。
④治療経過
肝鬱気滞、腎陽虚と弁証し、治療を開始。
PC作業が多いことや、職場環境による精神的ストレスが強いことが大きな問題であることを伝え、精神面での養生や、運動習慣をつくることを勧める。
週1~2回のペースで約6か月治療を継続し、人工授精にて妊娠に至る。
治療経過中に首肩のこりや、下半身の冷えや浮腫みといった症状も改善されている。
まとめ
この3つの症例を通して、皆さん「不妊」以前に何らかの問題となる症状を抱えていることがわかると思います。
また皆さん、不妊という同じ病名にもかかわらず、弁証はそれぞれ違います。
これを同じ病であっても異なる治療法で対応するという意味で、同病異治(どうびょういち)といいます。
当院の場合は、不妊という病を相手にするのではなく、心と身体を丸ごと調整する治療なので、治療を進めていくとまずは全身の調子が良くなります。
その結果として、妊娠というゴールにたどり着くイメージです。
この3症例だけではなく、多くの方が週に1~2回のペースで通院され、半年から1年で妊娠に至ることが多いです。
しかし、うまくいくことばかりではありません。
がんばって治療を継続してくださっても、結果が出ないこともあるのが現実です。
ですから、当院の治療を受けていただければ必ず妊娠できるとは断言できません。
しかし、身体の調子を調えることにより、少しでも妊娠の可能性を高めることは可能だと思いますので、お悩みの方がいらっしゃれば、ぜひご相談ください。
不妊症と鍼灸について、解説した記事があります。
こちらもぜひご覧になってください。
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