鍼灸は医学であるという矜持。

鍼灸は医学であるという矜持。

2月11日、12日の連休は熱海で開催された(一社)北辰会冬季研修会に参加してきました。

100名近くの会員が参加し、勉強だけでなく宴会なども通して交流を図ってきました。

技術や学術の研鑽だけでなく、同じ志をもつ仲間と情報を交換したり、お互いの夢を語り合ったり、有意義な時間でした。

始発の新幹線に乗り、熱海の近くでは綺麗な富士山を拝むことができました。

鍼灸界の現状

私も19歳で鍼灸の業界に入り、早いもので26年になります。

当時は徒弟制度のような形で治療院に弟子入りし、師匠のもとで学ぶというスタイルが多かったように思います。

若い人から話を聞くと、今は美容鍼灸に興味をもつひとが多く、美容鍼灸系の治療院は大人気で募集があれば殺到するそうです。

治療系を目指すひとも、大きな整骨院グループに就職するひとが多く、一人の師匠につくような徒弟制度は流行らないのかもしれません。

鍼灸の内容も美容やスポーツ鍼灸などが多く、伝統的な鍼灸を学ぼうと考える若い人は少ないのだそうです。

若い鍼灸師とともに

しかし、いったんは美容系の鍼灸院や大手の整骨院グループに就職するも、過酷な労働環境に疲弊したり、治療の内容に違和感を覚え、少し遠回りをして北辰会に入会してくれる若いひとたちもいます。

そういった若い人たちに少しでも理想を示すためにも、私たちは鍼灸は医学であるという矜持をもって臨床や勉学に励みたいと思うのです。

若き日の私に「鍼灸は崇高な医学なのだ」と、背中で教えてくれた師匠。

今後もまっすぐに師匠の背中を追い続けたいと思っています。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

輝鍼灸院