【嘔吐恐怖・パニック症状・胃の停滞感】嘔吐へのトラウマと胃の痛みが「一本鍼」でわずか2ヶ月で改善した症例

1. 患者様プロフィール

  • 年代・性別:20代・女性

  • 主な症状

    • 胃腸症状:胃の停滞感、吐き気、ズキズキ・チクチクした痛み、時々の軟便。仕事がひと段落した際に特に強く感じる(気を張って働いている時は和らぐ)

    • パニック症状:自分や周囲の人が吐き気を催している際、動悸、顔面蒼白、手の震え、手の冷え・蒼白が出現。のちに会食や満員電車など「途中で席を外せない状況」でも発症するようになる

これまでの経過・体質

  • お体の傾向・学生時代

    • もともと胃腸が弱く、度々かかっていた胃腸炎で「吐く」という体験を繰り返すうちに、嘔吐への強い抵抗感と恐怖(嘔吐恐怖)を抱くようになる。旅行など外泊時に便秘になりやすい

    • 中高時代は運動部に所属し体調は良好だったが、中学生の時に友人が吐き気を催した際、手助けできず逃げてしまったトラウマと罪悪感から、人が吐きそうな場面でパニック症状が出るようになる

  • 大学生〜社会人での悪化

    • 大学時代に歯列矯正のための抜歯(4本)で体重が5kg減少。就活のプレッシャーで面接前に初めて胃の不調を感じるようになり、乗り物や人混みでもパニック症状が出現し悪化

    • 受付職へ就職後、生徒の嘔吐対応などでパニックを堪えながら働く日々が続き、仕事への不安から症状がさらに増悪

  • 来院時の状況

    • 約5年勤めた職場を前向きに退職(来院1ヶ月前)。旅行やライブを楽しみたいが症状が不安で踏み切れず、友人にも気を遣わせてしまうため言えない状態

    • 就職活動を再開された頃から、眠れない日や夢を多く見ることが増えていた

2. 初診時の問診と東洋医学的見立て(弁証論治)

対話を通じて、お優しく繊細な性格とお身体の歴史を東洋医学の観点から以下のように紐解きました

中医学的見立て(証)

  • 診断「肝鬱化火(かんうつかか)」 および 「肝火犯胃(かんかはんい)」

原因の解説

  1. お優しさと「気」の滞り(肝鬱): 人に迷惑をかけたくないという想いが強く、他者へのお気遣いから自律神経を司る「肝」の気が滞りやすい体質をお持ちでした(旅先の便秘等からも推測可能)

  2. 胃腸の弱りとプレッシャーの波及: 抜歯や体重減少により胃腸(脾胃)のエネルギーが低下していたところに、就活や仕事の過酷なプレッシャーが加わり、過剰になった「肝の気」が胃腸を直撃(肝気犯胃・肝火犯胃)。これにより慢性的な胃痛や吐き気が引き起こされていました

  3. 熱の発生(化火)とパニック・睡眠への影響: 5年間の緊張と不安に耐え続けた結果、体内に滞った気が「熱(火)」へと変化(肝鬱化火)。この上がった熱が胸や頭へ波及することで、動悸や顔面蒼白といったパニック症状、さらには不眠や多夢を引き起こしていました

3. 施術内容と改善の経過

昂った熱と自律神経の過緊張を鎮めるため、当院特有の「一本鍼(たった1本のツボへの施術)」にてアプローチを行いました

使用したツボと選穴の理由

  • 百会(ひゃくえ): 頭頂部にあるツボ(百会)を使用。体内上方へ上がり、こもってしまった過剰な熱と昂ったエネルギー(陽気)を優しく逃がし(泄熱・瀉法)、自律神経をスッと鎮めるために選穴しました

施術経過

  • 1〜4回目(週2回ペース): 初回の施術直後から良い感触を得られ、4回目の施術を迎える頃には胃の不調が大幅に楽になりました

  • 5〜15回目(週1回ペース): 胃腸の調子は非常に良好な状態をキープ。時々胸の息苦しさを感じるものの、パニック発作を起こすことは一切なくなりました

  • 16〜19回目(月1回ペース・約2ヶ月目): 他県への就職・お引越しに伴い通院頻度を調整。仕事環境の変化で波はあったものの胃腸は良い状態を維持し、パニックを起こさずに穏やかに過ごせるようになりました。症状が安定し遠方への転居となったため、無事に施術終了といたしました

4. 院長からの総評

治療回数も限られ、他県への転居という期限が決まっている中で、短期間でしっかりと効果を上げることができた非常に嬉しい症例でした

初めの頃はパニックへの不安感や緊張が高く、こちらにも緊張が伝わってくるようでしたが、施術を重ねるごとに不安が和らぎ、心を開いてコミュニケーションを取っていただけたことが、早期の改善に大きく繋がったと感じております

なお、遠方に転居されましたが、転居先エリアには信頼できる仲間の鍼灸院がございます。万が一またお身体の不調が出た際にも、安心して任せられる環境へお繋ぎできるようアフターフォローの準備を整えております。

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