【所感】発展し続ける北辰会方式
昨日9月15日は大阪で(一社)北辰会の関西部会定例会が開催されました。
定例会のある日は朝から実技指導、昼は運営会議、午後からは講義&実技講義、そのあとは宴会笑と一日動き回り、ある意味診療のある平日より体力を消耗します。
もうこんな日常を20年続けているわけですが、北辰会での学びがあるからこそ今の自分があり、これは欠かすことのできないライフワークなのです。
基本的には私は講師なので教えることが中心になるわけですが、よく言われることですが、教えることは最大の学びであると実感し、確信しています。
ですから教えることが億劫になることはありませんし、とても有難いことだと思っています。
その中でも、今回の藤本新風代表理事よる代表講演「新風最前線(補瀉論)」は、自分にとってはここ数年の学びの中でも衝撃的な内容でした。
補瀉論
伝統的な鍼灸には「補瀉(ほしゃ)」という概念があります。
簡単にいえば、ツボの中にある悪いものを(邪気)を散らすのが瀉法(しゃほう)、ツボの中にある良いもの(正気)を補うのが補法(ほほう)です。
しかし、絶対的な瀉法、絶対的な補法というのはあまりなく、白でもない黒でもないグレーゾーンというものが存在します。
それに対して「平補平瀉(へいほへいしゃ)」と呼び、瀉法でもない補法でもない、ある意味では曖昧な治療をしてしまうことがあります。
それで効いてしまうこともあるのですが、シビアな病になればなるほど、そういった曖昧さを許してはくれません。
グレーゾーンがあることが認めつつも、その中でも虚実を明確にし、補瀉を使い分けることの重要性を、古典から歴代医家の考えを紹介しつつまとめて下さいました。
これは私の中でも長年の課題であり、この課題をすっきりと解決させてくれるここ数年の中でも衝撃的な学びとなりました。
北辰会で長年学び続けてきた甲斐があったことを確信する一日でした。
講演後は質問時間がなかったので、終了後の宴会でも質問させていただき、虚実を明確にわけることができない場合の対応についても議論することができ、さらに理解を深めました。
今後も北辰会方式を学び続ける
こういった北辰会方式の発展に、少しでも関わらせていただけることを光栄に思います。
まだまだ人生は長く、学び続ける時間があることに感謝しつつ、この学びを明日からの患者さんへの臨床に還元していきたいと気持ちを新たにしています。
ほんとうにこの鍼に出会えた人生に感謝しかありません。
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