伝統鍼灸解説ブログ

淋証(りんしょう):膀胱炎・尿路結石etc

腎盂腎炎・膀胱炎・尿路結石・腎結石・膀胱がん

頻繁に小便をする・小便がポタポタと漏れ出して刺し込むような痛みがある・残尿感・下腹部に引きつれるような痛みがあるなどを主な症状とする病症。

腎盂腎炎・膀胱炎・尿路結石・腎結石・膀胱がんなどの泌尿器系疾患は、淋証の弁証論治を参考に治療することができる。

病因病機

外陰部を不潔にすると湿熱穢濁の邪が侵入し、上昇して膀胱を侵す。脂っこいものや甘いもの、味の濃いものや粘ったもの、辛いものや熱いものを過食すると、脾の運化機能に異常をきたし、湿が集まって熱を生じるので、湿熱が流入して膀胱の気化作用が働かなくなり、水道の通りが悪くなって発症する。

血淋

〔病理〕

膀胱の熱が強く、熱が血絡を損傷して血を狂乱させると、血淋になる。

〔特徴〕

実証

小便が赤い、もしくは暗紫色の血塊が混じる・頻尿・尿量減少・渋って出にくい・激しい灼熱感・ひどくなると臍腹部までの引きつるような痛みがある。

虚証

小便がピンク色になる・排尿時の疼痛と出しぶる感じは強くない・手足と胸が熱くなる・腰と膝がだるい。

石淋

〔病理〕

湿熱に煮詰められて尿液が凝集し石になると、石淋になる。

〔特徴〕

ときどき尿に石が混じる・小便が出しぶる・排尿が突然中断する・尿道が圧迫されて痛む・下腹部痛・腰腹部の耐え難い絞られるような痛み・尿に血液が混じる。

なかなか石が出ず気虚を伴うものは、顔色に艶がない・精神萎縮・力が出ない。

陰虚を伴うものは、腰がだるく鈍痛がある・手掌部と足底部の熱・潮熱・寝汗。

膏淋

〔病理〕

湿熱が停滞して絡脈を塞ぐと、乳糜が正常なルートをはずれ、尿と混じって膏淋になる。

腎虚で乳糜を摂納できないと、膏淋になる。

〔特徴〕

実証

小便が米のとぎ汁のように混濁する・置いておくと綿状のものが沈殿する・尿に凝結した塊が混じる・血液が混じる・出しぶる・灼熱感を伴う刺痛。

虚証

長引いてなかなか治らない・渋痛は強くない・ポタポタと脂のようなものが漏れる・痩せる・頭のふらつき・耳鳴り・腰と膝がだるい。

気淋

〔病理〕

鬱積した怒りが肝を損傷して肝気が鬱結すると血流が悪くなる。あるいは気鬱が火に変わり、気と火が下焦に鬱滞すると膀胱の気化作用が働かなくなり気淋になる。

〔特徴〕

実証

小便が出しぶる・ポタポタと漏れて切れが悪い・臍腹部の満悶・ひどくなると脹痛が現れる。

虚証

頻尿・小便の色が澄んでいる・小便の切れが悪い・出しぶる感じは強くない・小腹部が脹満して下垂感がある・手で押さえると痛みが緩解し押されるのを喜ぶ・労働に耐えられない・顔色が白い。

労淋

〔病理〕

房事過多や過労、多産などの原因で腎気を損傷すると労淋になる。

〔特徴〕

小便はあまり赤くなく、出しぶる感じも強くない・ポタポタと漏れて止まらない・疲れると発症したり悪化したりする・軽減と悪化を繰り返す・なかなか治りにくい。

腎虚

房労で悪化する・頭のふらつき・耳鳴り・腰と膝がだるい。

腎陰虚

尿に熱感がある・手足や胸が熱くなる。

腎気虚

顔色が白い・頻尿で尿量が多く澄んでいる。

腎陽虚

悪寒・四肢の冷え。

心気心陰不足

考えすぎたり思い悩んだりすると悪化する・動悸・息切れ・不眠・多夢。

脾虚

疲れると病状が悪化する・下腹部に張りを感じ下垂感がある・食が進まない・泥のような軟便。

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