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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

【解説】口の中が粘る

先日、口の中がベタベタと粘るという症状でお悩みの患者さんから依頼がありました。

この症状について中医学的に解説します。

中医学ではこういった症状を「口膩(こうじ)」「口粘」「口舌粘膩」と呼びます。

口膩には苦い・甘い・酸っぱい・味を感じにくいなどの異常を伴いつつも、口の中の粘りという症状が主となります。

体内に湿気がたまる

口膩にはいくつかの種類がありますが、基本的には胃腸の異常と、それにともなって体内に湿邪(しつじゃ)と呼ばれる、いわゆる体内に湿気が溜まることによって起こることが多くなります。

中医学では「脾は運化を主る」という考えがあり、脾(胃腸)には飲食物から必要な栄養を体内に吸収し、不要な毒素を排出する働きがあります。

その働きが悪くなると飲食物から吸収した水分のさばきが悪くなり、湿気が体内に毒素として溜まってしまうのです。

その湿気が体内に溜まり過ぎてしまい、胃に停滞すると食欲が落ちたり、腸に流れ込むと軟便や下痢になり、女性の場合は子宮に流れ込むとおりものが多くなったりします。

その湿気が口の中に上昇すると、口の中が粘るという症状が現れます。

胃腸の働きを正常に戻す

ですから、治療としては脾(胃腸)の障害が起きている原因を見つけ出し、その原因に対して適切なツボを選び出し、胃腸に働きを正常に戻し、体内の湿気が取り除かれれば症状は消失します。

少し口の中が粘ると感じることがあれば、いつもよりお散歩を増やして身体を動かし、胃腸を活性化させてあげると軽い症状であれば消えていきます。

酷くなれば鍼や漢方で治療しなければ治らない場合もあります。

お困りの方がいれば、お気軽にご相談ください。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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