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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

原因不明の足の痛み、腫れ、発赤

当院には病院では原因不明、病名もつけられないと告げられ、途方に暮れている患者さんが多く訪れます。

最近も「右足の甲が赤く腫れ、強く痛む症状」でお悩みの患者さんがおられました。

病院で検査をするも、「リウマチではないし、はっきりと原因がわからない」と告げられ、どうすればよいかわからない状況でした。

このように現代医学的には原因が不明で治療の施しようがないような状況であっても、東洋医学的な観点であれば、治療することが可能な場合もよくあります。

「痹証(ひしょう)」

症状的にはリウマチに似た状態なのですが、東洋医学では「痹証(ひしょう)」と呼びます。

この方は60代でやや高齢であり、なおかつ割と肉体的に負荷のかかる仕事をされているので、東洋医学的に診れば「腎気」を損傷しやすい状況にありました。

なおかつ胃腸もあまり強くないので体内に「湿(しつ)」が生じやすく、過労やストレスで湿が熱化して「湿熱(しつねつ)」になっている状況でした。

つまり弱った腎気に乗じて湿熱が下半身に流れ込み、「痹証(ひしょう)」が発症している状況です。

治療経過

弁証 腎気虚 湿熱 空間右下への気の偏在

治法 補腎益気 清利湿熱 空間調整

として、右大巨(みぎだいこ)というツボに鍼をしました。

腎気を補いつつ、身体の右下に流れ込んだ湿熱をさばくという治療になります。

この治療を週に1回、約1か月継続することで症状は緩解し、現在ではほぼ消失しています。

原因不明の病や症状にお悩みの方がいれば、一度東洋医学的な観点で身体を診直すことをお勧めします。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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