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院長ブログ 「世界を癒す一本鍼」

【解説】帯状疱疹について

帯状疱疹は中医学では蛇串瘡・蛇丹・火帯瘡などと呼ばれます。

皮膚に水疱や灼熱感をともなう急性ヘルペス性皮膚炎です。

発症前に微熱や倦怠感があり、徐々に刺すような痛みが現れます。

はじめのうちは帯状に赤い皮疹が出現し、徐々に豆大の水疱に変わります。

軽症の場合は赤い皮疹のみで水疱は生じないこともあります。

通常は脇から腰にかけて発症しますが、重症の場合は大腿部や顔面にも及び、顔面に及んだ場合は重症度が高く、失明の可能性もあるので注意が必要となります。

基本は2週~4週で治まりますが、酷い場合は神経痛が残る場合もあります。

帯状疱疹の3つのパターン

発症までには複数のパターンがあります。

①肝鬱火毒

精神的ストレスから肝鬱が長期化して化火し、肝火が皮膚から溢れ出て発症します。

頭部・顔面部に及ぶことが多く、イライラを伴います。

②脾経湿熱

飲食の不摂生などで脾の運化が失調し、湿熱が皮膚に溢れて発症します。

腹部や大腿部に発症することが多く、泥状便・身体が重いなどを伴います。

③気滞血瘀

高齢となり体力が衰え、血虚肝旺となり邪毒に感染すると気血が凝滞して発症します。

高齢者に多く、痛みが残ることが多くなります。

主なパターンはこの3つです。

帯状疱疹は鍼灸院で診る機会も多い疾患の一つ

意外かもしれませんが、帯状疱疹は鍼灸院で診る機会も多い疾患の一つです。

また当院に来られるような方は、西洋医学的な治療でも効果がなく神経痛が残っている方が多いので、基本的には重症かつ難治性であり時間をかけて治す必要があることになります。

稀に初発で診始めることもありますが、基本的には西洋医学の治療と同時並行で治療することをお勧めしています。

抗ウイルス薬や痛み止めを使って表見的な問題を食い止めながら、鍼灸で根本的な問題を解決するというイメージです。

はじめのうちに適切な治療を行っていれば、あとになって神経痛が残る可能性も低くなりますし、無理に鍼灸だけで治療する必要もありません。

精神的なストレスが原因で発症する場合は痛みが長引くことが多くなりますが、これまでの経験から独自な考えで治しやすくする方法を持っているので、たいていはうまく治します。

日頃からストレスや疲労を溜め込み過ぎていると発症しやすく、後遺症も残りやすくなるので、どんな病でも同じですが普段からの養生が重要です。

筆者プロフィール

原元氣 - Hara Genki -

輝鍼灸院 院長 / (一社) 北辰会 正講師 運営会議議長 / 森ノ宮医療学園 非常勤講師

2004年、北辰会創始者(現会長)である藤本蓮風先生に師事。内弟子生活を経て2008年に独立し、神戸市にて輝鍼灸院を開院。臨床の傍ら北辰会の正講師・運営会議長として会の運営および後進の指導に携わり、北辰会方式の啓蒙活動を行っている。日本では伝統鍼灸の真の価値が認知されておらず、美容鍼灸や現代鍼灸が主流となっている現状を覆すため、ブログや日々の臨床を通じて伝統鍼灸を広める活動をしている。

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