【解説】のどの痛み
この時期に多い「のどの痛み」。
秋は乾燥が強くなるので、のどの痛みを訴える患者さんが多くなります。
中医学的にはのどの痛みを「咽喉痛」「喉嚨痛」と呼びます。
中医学的な分類
1.風邪にともなう咽喉痛
風邪にもいろんな種類があるのですが、ここでは主に2つの種類をあげています。
冷えを中心として風邪が風寒。
熱を中心とした風邪が風熱となります。
それぞれの特徴をあげます。
①風寒
・のどの痛みは軽度。
・粘膜が暗紅色で腫脹する。
・悪寒が強めな風邪症状をともなう。
②風熱
・のどの痛みは刺し込むようで嚥下時に著しい。
・粘膜は発赤して腫脹する。
・風邪症状はあるものの、悪寒は少ない。
2.熱がこもることにことによって発症する咽喉痛
身体に熱がこもるという症状を経験された方は多いと思いますが、熱がこもるという症状にも大きく2つのタイプがあります。
湿気をともなう熱が湿熱、熱が主体で火を生じたものを鬱火といいます。
①湿熱
・のどの痛みは激痛もしくは刺痛。
・小さな水泡をともない、潰破後に潰瘍を形成する。
・黄色い痰や胸苦しさをともなう。
②鬱火
・のどの痛みは急性で激しく発赤が強い。
・嚥下困難をともない、呼吸もひっ迫する。
3.のどの潤いが少なくなるために発症する咽喉痛
身体の潤いが不足した状態を陰虚、さらにエネルギーまで不足し、倦怠感などをともなうものを気陰両虚といいます。
①陰虚
・のどが乾燥して痛み、午後に痛みが悪化する。
・口が乾燥し、水分を欲する。
・のどに痰がつまってようで吐き出せない。
・手や足の裏に火照りを生じる。
・便が硬くなる。
②気陰両虚
①陰虚の症状に加え、疲労倦怠感や無力感をともなう。
まとめ
このように、のどが痛いという症状だけを見ても、これだけの分類があります。
何が原因で、どのタイプの咽喉痛が発症しているのかを分析できなければ、正確な治療はできません。
風邪をきっかけに発症する咽喉痛が一過性で終わることが多くなりますが、湿熱・鬱火・陰虚・気陰両虚などは慢性化することが多くなります。
風邪をひいてもいないのにのどの痛みが治らない。
そんな症状でお悩みの方がいれば、一度ご相談ください。
一覧に戻る